イタリア政府が『アバター』にNG

3Dメガネの使いまわしは非衛生だとかって、ほとんど言いがかりみたいなことを言っている。


アホか、とも思うが、アバターに登場する未来の技術的なコンセプトが誘導する倫理観からすると、ローマカトリックのお膝元であるイタリアで反対意見が出るのはもっともだとも言える。


アバターは、異星人の遺伝子とハイブリッドにした人工の肉体に意識を転送するっていう技術が、設定の核になっている。


こういうのを良しとしてしまうと、じゃあクローンはOKだねとか、肉体は精神の入れ物に過ぎず、不具合があったらどんどん乗り換えてよろしいという倫理観を誘導してしまうので、魂と肉体と大地は不可分だという倫理観がベースのカトリックとは、非常に相性は悪いだろう。


カトリック的な概念で言ったら、肉を持たずに精霊として機能するのは天使であり、その上位に居るのが神なのだから、アバターみたいに意識を抽出してどこにでも転送できちゃいますっていう技術をOKにしてしまうと、人間が神の領域を冒すことになり、それは冒涜ということになるだろう。


逆にユダヤ的価値観から行くと、アバターはすごくイケている。
土地だとか肉体だとかの固定された属性に囚われずに、その時々で最も有利なものにどんどん乗り換えていくユダヤと、アバターの技術は、すこぶる相性が良いというか、あれこそユダヤの理想だろう。


ものすごく便利で、こんな良いものを使わない手はないと言える技術であっても、宗教的、民族的アイデンティティを破壊してしまうからNGっていうものは、色々あるだろう。
世界には現状の科学技術から考えたらナンセンスであっても、止めるに止められないたくさんのタブーがある。


自分から見たらバカバカしくてナンセンスなことでも、他者にとっては命の次ぐらいに大事なことってのは往々にしてあるもんだし、その逆パターンも然りだろう。


人間、異なる立場の人のことなど、ほんのちょとしか理解できないものだ。
そんなの当然と言えば当然だが、自分が利口だとか正義だと思ってしまうと、その瞬間に他人ってのは全く見えなくなると思える。




イタリア政府が『アバター』にNG!3Dメガネを映画館から押収